夏の北海道を転戦する陸上中長距離の「ホクレンディスタンスチャレンジ」が今年で20周年を迎えました。今年は6月から7月にかけて深川・士別・北見・網走・千歳で6戦開催されます。そのうち、6月22日(水曜日)に深川市陸上競技場で開催される「20周年記念大会」は、アメリカ・オレゴン州で開催される世界陸上の日本代表選手選考を兼ねた特別大会となっており、参加標準記録を突破する最後のチャンスとなります。
深川のディスタンスチャレンジは第1回から開催地となっていますが、振り返ってみると、過去にも世界陸上の代表が決まるレースが行われていました。
2005年ヘルシンキ世界陸上男子10000メートルの代表選考は、B標準を突破して日本選手権を制した三津谷祐選手(当時・トヨタ自動車九州)が一旦代表となったが白紙に戻り、再選考が行われることになりました。新たな選考基準ではA標準を突破すれば代表に選ばれることになり、三津谷選手は、2005年6月29日のディスタンスチャレンジ第4戦深川大会男子10000メートルに出場。A標準を突破する27分41秒10で2位に入り、世界陸上代表を決めました。当時の日本歴代3位のタイムでした。
当時の新聞のネット記事が、三津谷選手の出身地である香川県「四国新聞」のサイトに残っていました。
陸上男子1万M、三津谷代表入り(四国新聞のサイトへリンク)
私もその日、深川市陸上競技場で観戦して、観戦記を当ブログに書いていました。当時の記事を「最後に三津谷選手が花束を持ってトラックを一周。観戦に来ていた関係者や観客から祝福を受けていました」で締めくくっていました。家に帰った後、HBCテレビ(TBS系)「筑紫哲也NEWS23」のスポーツコーナーで、ディスタンスチャレンジ深川大会のニュース映像を見て、貴重な瞬間を見届けてきたという実感が沸いた記憶がありました。
ホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会(2005年6月29日付)
「寺田的陸上競技WEB」というサイトには、当時の深川大会について4本の記事が掲載されていました。
2005/6/29 ホクレンDistance Challenge 2005 深川大会
大森は1500mに出場 現在の心境を語る(三津谷のレース前)「勝ち負けが選考に関係なければ今日、三津谷を引っ張りたい」
大森もトラックで応援 三津谷が27分41秒10の日本歴代3位、国内日本人最高!!
考え得る最高の結果を実現した三津谷の“集中力”とワンジルの最高のアシスト
日本歴代3位&国内日本人最高 三津谷の400 m毎通過&スプリットタイム
ちなみに、この時の世界陸上男子10000メートル代表だった、大森輝和選手(当時・くろしお通信)も同じ香川県出身とのことで、お互いに仲が良く、良きライバル関係にあったようです。
その後の深川大会では、2008年6月11日に女子10000メートルで福士加代子選手(当時・ワコール)が31分30秒94で1位となり、北京五輪A標準記録を突破しました。
また、2020年7月9日には女子3000メートルで田中希実選手(当時・豊田自動織機TC、現在・豊田自動織機)が、8分41秒35で当時の日本新記録を18年ぶりに樹立しました(それまでの記録は福士加代子選手が2002年に出した8分44秒40だった)。
これらの戦いの記録は、陸上競技の歴史に刻まれているものです。
深川市陸上競技場で初の世界陸上代表が決まってから17年。今度のディスタンスチャレンジ20周年記念大会で再び、深川の地から世界陸上に名乗りを上げる選手が現れることを願っています。
なお、20周年記念大会の概要は以下のとおりです。今回は有観客で開催されます。ぜひ、競技場でご覧ください(午後3時から先着500人入場受付。詳しい観戦方法については深川市ホームページで確認してください)。
<ホクレンディスタンスチャレンジ2022 20周年記念大会~オレゴン2022世界選手権チャレンジレース~>
・日時:6月22日(水曜日)午後4時15分競技開始(雨天決行)
・場所:深川市陸上競技場(深川市6条21番)
・競技種目:男子800m、女子1000m、男女1500m、男女3000mSC、男女5000m、男女10000m
・入場料:無料
・その他:観戦方法、主な出場予定選手、タイムテーブル、スタートリストなど、詳しくは以下のホームページをご覧ください。当日はライブ配信も予定されています。
ホクレンディスタンスチャレンジ2022深川大会(深川市ホームページへリンク)
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022(日本陸連ホームページへリンク)
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